アロマテラピー効果絶大なるパクチーの花、偉大なり!
長男が生まれた時、夫は花束を持って病室に現れた。真っ白な花束。
その花の名は、バラでもスイートピーでもかすみ草でもなくパクチー。
白くて小さなかわいい花で花自体にはあの独特の香りはせず、とてもあのパクチーの花だとは思えない。
パクチー栽培がスタートし初めて花を見た時には、緑色のパクチー畑の中に可憐に揺れるその姿に感動した。
「息子が生まれたら、病室にはこれ持ってきて」
その約束通り、夫は息子が生まれて2、3日後、花束を持って私の病室に登場した。
白いタキシードならぬ、土で薄汚れた作業着と長靴、手には新聞紙に包まれた花束。
それでも部屋にお世話に来てくれた助産師さんたちからは「うわーっ!素敵」という歓声があがった。
「何の花ですか?」
「パクチーです」
その瞬間「えー?!」という声があがり、周りにいた助産師さんたちもパクチーの花に集まってきた。お見舞いに来ていた私の母も。
「珍しい、初めて見た」「香りはしないんですね」「私パクチー好きなんです!」
その瞬間、私は見た。みんなの視線が一斉に方向を変えるのを。
息子<パクチーの花
息子、この世に誕生し数日でパクチー(の花)に主役の座を奪われる。
生まれてすぐの病室、湯気が出そうなほどほやほや、ツヤツヤの赤ちゃん。
無条件でみんなの視線が集中するこの場面で、一瞬で注目を奪い去ったパクチーの花。
ゴマキが登場した時のなっちの気分ってこんなだっただろうか。

息子が人生の厳しさを感じとったかはわからないが、私の腕の中でスヤスヤ眠っていた。
ちなみに出産前、助産師さんに「少しでもリラックスできるように、分娩室には好きな音楽や香りを持ってきていいですよ」と言われ「パクチーを嗅ぎながら、出産しようかな」と言っていた私だが、こちらはお産の大変さの中で、全く忘れさられていた。
というか、息子がこの世に誕生した瞬間には、誰もが予想していないというか、できないドラマが繰り広げられたのだった。
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